化学便覧 応用化学編 (収録:第5版〜第7版)

英文表記:Handbook of Chemistry: Applied Chemistry, 5th~7th ed.

“化学便覧 応用化学編”は、“基礎編”とともに日本化学会の便覧として半世紀にわたって高い評価を得ています。

第7版(2014年刊行)では、10年の進展・大幅な情勢の変化を踏まえ、内容を全体的に刷新しました。 全体方針は第6版を踏襲し、第II編「基盤的化学技術」で各分野に共通する基礎技術を、第III編以降で各論を体系立てて掲載。「エネルギーシステム」編を新設し、「エネルギー変換技術」「エネルギー貯蔵技術」を章立て。「計算機シミュレーションと情報科学」「バイオマス利用技術」を新たに独立して章立て。「バイオテクノロジー」は基盤的化学技術として第II編へ移動しました。無機・有機・高分子化学品/材料は分野ごとにまとめました。

第6版(2003年刊行)では、“応用化学・化学技術に関する良質かつ基幹的な情報をもれなく、読みやすく、探しやすい形で提供する”ことを基本方針として、化学技術・化学産業の急速な変容への対応と情報伝達手段の変化への対応を心がけました。

化学技術・化学産業の急速な変容への対応に関しては、分野の細分化・深化がすすむ一方、分野の融合・総合化と新領域の創出がみられるため、現代の化学技術の全体像を正しく伝えるとともに近未来の化学技術の進展にも対応でき、新世紀の技術に求められる“環境との調和”、“社会との新しい関係”が理解される構成および内容となるよう努力しました。

情報伝達手段の変化への対応に関しては、電子化が進む中で、ハードコピーとしての化学便覧の存在意義は、“掲載した情報の信頼性が確保されていること”と、“応用化学が体系化されて提示され、その全体構造が見やすいこと”が必要と考えて、内容構成マップを作成し、初めて2色刷にしてみました。

第5版(1995年刊行)では、科学技術の目ざましい進歩は、技術の複合化を促し、多くの境界領域をつくり出しており、化学の応用も単に化学工業にとどまらず、広範囲な産業分野に及んでいるけれども、紙数が限られていることから、新しい発展のあった分野にページ数を多く割り当て、旧版と内容的に大きな発展のないと思われた分野についてはページ数を圧縮して、大筋の流れを記述するにとどめ、詳細は旧版を参照していただくという方針で編集しています。

本書の全内容の大筋を把握しやすいように、第1章に“化学の応用”と題する章を設け、この章を読んでいただければ、技術の流れや、位置づけが把握できるようにしました。統計データも製品や産業の推移を知る上で欠かせませんが、時の経過とともに価値が減少するという宿命がありますので、旧版に比べ簡略化すると同時に、可能な限り最新のものを採用し、校正時にも差換えを行ないました。




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